前回の記事と似たような話ですが。
2018上半期は映画をたくさん見たけど、それだけでなく小説もたくさん読んだ。これもやはりJGC修行中にタブレットで電子書籍を読んでいたからっていう。
ということで、この半年間で読んだ小説を振り返ってみる話。こちらも勝手に5段階で評価してみる。
カシオペアの丘で
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価格:700円 |
評価:★★★
当方、重松清さんが好きでして。未だ読んだことがなかったこの本を読んでみた。
幼馴染の4人が数十年ぶりに再会し、それぞれの背負った運命が絡み合いながら物語が進んでいく。「贖罪」がテーマなので話は重いし、下巻では一部ダレるようなところも正直あったけど、それでも最後まで一気に読み切ることができた。
人はみんな罪を抱えて生きている中で、「許す」ことも難しいけど、「許される」というのもとても難しいことで。人生ってなんだろうな~というのを考えさせられた本。
ビタミンF
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価格:659円 |
評価:★★★★
これも重松清さんの作品。短編集で、いずれも30~40代の父親が主人公の話。
重松さんって、父親目線での話を書くのがとても上手。とても身近な話で、「ああ父親ってこういう風に考えているんだ」と感じさせられる話。
現在父親の男性はもちろん、母親や反抗期真っ只中の学生なんかに読んでほしい。父親の目線が分かってあげられると思うから。
蹴りたい背中
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価格:378円 |
評価:★★★
2003年に芥川賞を受賞した作品。作者が当時19歳だったことも話題になりましたね。
作者が当時まだ若かったということもあって、青春のときに抱くあの不思議で複雑な感情を、特殊な登場人物を介して独特に表現している。でもその表現になぜだかとても共感出来た。
何より、物語の始まりの最初の1段落がめちゃくちゃ美しい。この文章を読めただけでも、買った価値があった。
羊と鋼の森
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価格:700円 |
評価:★★★★
本屋大賞を受賞した作品で、ピアノの調律師のお話。純文学のジャンルだと思うので、エンターテイメントというよりは、テストでよく出てきそうな感じだと思う。
調律師という特殊な仕事ではあるけれど、仕事に対する葛藤とそれを克服して成長する主人公の姿には胸を打たれる。あの素直さとどん欲さは見習わなくてはいけないなーと。
あと、「羊と鋼」って何だろうと最初は思うけど、その意味が分かった時は嬉しかった。
すべてがFになる
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すべてがFになる The Perfect Insider【電子書籍】[ 森博嗣 ] 価格:648円 |
評価:★★★★★
有名なミステリー小説っすね。完全殺人がテーマで、副題の「The Perfect Insider」ってそのことかな?と思うんだけど、最後まで読むとその本当の意味が分かります。
ミステリー好きならとても楽しく読めると思う。ただ、設定が少し特殊だったり、登場人物が癖の強い人ばかりだったりするので合わない人は合わないかもしれない。
地下鉄に乗って
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価格:486円 |
評価:★★
いわゆるタイムスリップもの。主人公が地下鉄の構内で何度もタイムスリップを繰り返しながらの父親の本当の姿や家族に関する出来事の真相を知っていく…という話。
話はとても切ない形で終わる。当方は読解不足により、作者がこれで何が伝えたかったのかがイマイチ分からず、特に胸に響くものもなく、もやもやして終わった。そんな印象。
総括
ということで、上半期は小説を5冊読んだらしい。個人的には「すべてがFになる」がヒットだった。ただまあそれは単に当方がミステリー好きだからなのかもしれない。
電子書籍は好みが分かれるけど、どれだけ買ってもかさばらないし、気軽に持ち出せるのでおススメ。というか、当方はもう小説は電子書籍でないと無理かもしれない。